【以前の記事で鳥取県の大山について触れました。】
以前の記事で私は鳥取県の大山についてお伝えしました。
紅葉の記事だったんですが、同じ紅葉をみるなら、
人とは違って「キレイ」で終わらせず、内的感動があるとイイですよねーって
提案しました。
そこで紹介したのが、その土地の歴史、出雲についての話を書いたんです。
覚えてくれている方はいますか?
日本には古事記という歴史伝承の書物があります。
その書物は、現代も書店、古書店で買えます。
内容は、決して難しくないのです。
中学、高校で古文を多少でも学べば、
音読できます。
それで大体意味がわかるというのがすごいですよね。
その話が前回だったのですが、
今回は、出雲の地方の歴史伝承の書物、神話を書いた、
「出雲の国風土記」をご紹介します。
【出雲の国風土記は出雲地方の古事記】
内容を見てみると、始めにその土地の広さや地名が書かれています。
何と!その単語や地名は今も同じなのです。
と言う事は、
やはり、日本は2600年以上の歴史があり、
神々が住んでいた土地であるとも、とれます。
まだ、全部は読んでいませんが、
流し読みでも、大体分かるところがいくつもあります。
音読すると、情景が思い浮かぶくらいです。
しかも、書かれている言葉が古事記とあまり変わらない文体です。
どちらかというと、
古事記のほうが、詩的な印象を受けます。
声に出して読んでみてください。
前半に書かれていますが、
この出雲の国風土記は、原文が漢文だと言うことですね。
と言う事は、
文学的な表現=ひらがな=たおやめぶり
ではなく
漢字=ますらおぶり
だということでしょう。
記録書賭してかかれているなら、
なおさら信憑性が高いのでは無いかともおもいます。
【国引き神話だけでは無い。短編の物語が連発する内容。】
出雲の国風土記は特徴的に、土地の測量や誰が収めていたかをはっきり記録しています。
どの項もそこから始まり、その神々=人々=その土地の為政者が
どんな人だったか、どんなことがあったかを記録しています。
面白いのは、
スサノオのミコトの血縁で~とか
この浜を通るときは大声を出して通らないと行けないとか、
現代にも神話としての凝っていることが
克明に書かれているのです。
私は、
出雲地方に住んだことがないのですが、
もしかしたら、出雲地方の方達は大和地方の人達とは
歴史認識が違って、合わない事があるのでは無いか?とも感じました。
ま、
神話レベルの話であって、
○県人と○県人は仲が悪いという近世の実話ほどでは無いでしょうが。
でも、信じる神様が本家か、分家かという印象をもつと、
親戚同士の先入観も出て来ておかしくは無いでしょう。
話は跳びますが、
神武天皇が和歌山=紀伊の国に行った時、
その軍を撃退した民族がいます。
そこで、神武天皇軍はその民族の背後に周り、戦って勝ったのですが、
その土地の人達は
「それはウソだ」と今でも信じています。
実は神武天皇軍は
その土地の人達には勝てず、
交渉して併合したのだと信じられています。
撃退した神は
「ナグサ トベ」 という神様で、
その方が亡くなったあとは、
亡骸を3つに分けて葬り、それぞれが現存の神社となって今でも祀られています。
今でも、その土地では「ナグサトベは負けていない」という言葉が口伝されているのです。
【娘をサメに殺された父が、そのサメを見つけるためにサメを集めて、真ん中にそいつを出させてモリで!!】
一番始めはある娘が浜辺にいるところ、
サメがその娘にかみついて、娘は死んでしまったという物語です。
その父神は怒って、サメたちを集め、娘を殺したサメをみつけ、モリでお腹を裂きます。
そのお腹からは娘の足が出て来たというシーンが描写されています。
この記事をよむあなたは、
良かったら出雲の国風土記を購入して読んでみてください。
音読すると、スラスラ読めるのです。
しかも、
書き方の心情描写が本当にスゴイ “入って“ きますよ。
古事記も層でしたが、
この出雲の国風土記も本当にすごい書物です。
また、随所に古事記で出てくる神々の名前が挙がり、
古事記が大和民族からみた歴史視点
なら
出雲の国風土記は出雲民族から見た歴史視点
です。
そして二つの民族は、
血縁にあり、軍事施設も持ち、測量、政治がちゃんと行われていたということがはっきり分かります。
何と、軍事施設に関しても載っているのです。
私は、
日本史でこの書物を読ませないことや、
古文で古事記を取り扱わない事は、
日本の教育の劣化では無いかと思うほどです。
個人的な印象ですが
源氏物語は色恋沙汰を扱っている少女物語の古文バージョン。
平家物語は歴史を語る題材。
どちらも古事記、出雲の国風土記と比べると、
日本人のアイデンティティーや思想にまで達しないと思いました。
神という単語はキリスト教的には、
絶対的な感じを受けますが、
私たちは、
実在した神々からの血を引く者であるという視点は
あながち間違っていないのかも知れませんね。
【まとめ】
紅葉から、話を広げてみましたが、
自分でも出雲の国風土記は買って良かったです。
古事記よりもスラスラ読めて、内容を把握しやすく、
出てくる土地の名前などは、今も同じ名前で呼ばれています。
興味がある人は、
死ぬまでに接しておくのが絶対オススメだと感じます。
追伸
次は常陸国風土記を買ってみようと思います。
おたのしみに!