突然、むしょうに缶詰が食べたくなることはありませんか?
さんまの蒲焼、さばの味噌煮、鮭缶、シーチキンの缶詰なんてマヨネーズがあれば
最高の主食にもなります。
ところで、魚の缶詰の身はホロホロでおいしいことはもちろんのこと、骨もやわらかくて
非常においしいですよね!
ふだん、生魚の骨を食べることはないとおもいます。
でも、缶詰の骨はなぜ、あんなにやわらかくなるのでしょうか?
気になりましたので、調べてみました!
缶詰の骨はなぜ、やわらかい?
骨のしくみ
骨といえばカルシウムで硬いイメージがありますが、
実は、カルシウムだけではなく、複数の物質が組み合わさってつくられています。
骨を構成する物質は3つです。
【骨の成分】
- リン酸カルシウム:70%
- コラーゲン:20%
- 水:10%
この比率は重さの比率なので、体積の比率では変わってきます。
体積にすると、リン酸カルシウムと水を含んだコラーゲンは、ほとんど半分ぐらいになります。
スポンジ状のような形をした、リン酸カルシウムの間にコラーゲンがたくさん詰まっているような構造です。
「骨=カルシウム=硬い」と思われがちですが、カルシウムだけだと非常にもろいのです。
カルシウムのスポンジ状の間に、コラーゲンがたくさん詰まっていて衝撃を吸収する
役割をしてくれています。
なので、硬くて折れにくい骨になっています。
缶詰の骨がやわらかい理由
では、なぜ硬くて折れにくい骨が缶詰になると
ホロホロで、とろけるような柔らかさになるのでしょうか?
缶詰をつくる工程で、魚を圧力鍋で高温高圧調理をします。
コラーゲンは120℃以上になると溶け出してきます。
高温高圧で調理をすると、リン酸カルシウム(スポンジ状のカルシウム)に詰まっている
コラーゲンが溶け出してしまい、リン酸カルシウムだけになると
もろくて柔らかい、ホロホロの骨になってしまいます。
これが、缶詰の骨が柔らかい理由なのですね!
缶詰のメリットとデメリット
メリット
- 圧力鍋で蓋をしている状態なので、菌も入らない!
- 殺菌剤や保存料は使われていない!
- かなり真空に近い状態で加熱殺菌するので、魚油、ビタミン、栄養は家庭での調理よりも多く摂取することができます。
非常食にも!
魚を缶に入れ、密閉された状態から高温で高圧調理をするため、
常温で長期保存することができ、災害時の保存食としても注目されています。
賞味期限が過ぎていても、缶が膨らんだりしていなければ食べることができます。
ご自身で確認して食べてみてはいかがですか?
期限が過ぎてしまった方が、好きな方もいるみたいですよ!
デメリット
缶詰の良いところをお伝えてきましたが、
次は、悪いところの部分、デメリットをお伝えしたいと思います。
- 塩分が多い
- 味の問題
缶詰だけで、ごはんが何倍でも食べることができますし、ビールや酒のおつまみにも相性バツグンです。
しかし、しっかりと味がついている分、塩分が多いところが気になります。
1缶で、約3分の1日分の塩分量になる缶詰もあります。
保存ができる食べ物は塩分が多く含まれており、どうしても塩分摂取量が増えるのは、しかたがないことです。
食べすぎに注意し、調理法を工夫していきましょう。
缶詰特有の味が苦手な人もいます。
「缶っぽい味」と言うとイメージが付きやすいと思います。
容器の成分、保存期間に関係がありますが、「缶っぽい味」が嫌いな人は、
どうやってもカラダが受けつけません!
まとめ
骨は、カルシウムとコラーゲンからつくられています。
お互い、丈夫で健康なカラダをつくるために必要な栄養素です。
お手頃な価格で、しかも調理をせずにそのまま食べられることができますし、
カルシウム、コラーゲンも取ることができます。
普段の調理では食べることができない魚の骨ですが、缶詰の骨なら柔らかくて、食べることができるのでカルシウムを余すことなく摂取することができます!
しかも、美肌効果もあるコラーゲンも取ることができので。一石二鳥ですね!
スープも残さず捨てないようにしてください。コラーゲンがしっかり含まれています!
しかし、食べすぎには注意が必要です。
サバの味噌煮など味付けが濃く、塩分が多いため、1日に何個も食べ過ぎてしまうと塩分の過剰摂取につながります。
塩分の取り過ぎは、高血圧の原因にもつながります。
どんな食材にも、メリットとデメリットがあります。
日頃から、バランスよく食べることに気をつけて、いつまでもおいしく、そして楽しい食生活を送っていきたいですね!
コスパを考えると缶詰を買った方がダンゼンお得だと思いますが、
家庭用の圧力鍋で缶詰のような柔らかく、ホロホロなサバの味噌煮にチャレンジしてみたいと思います!