春になり、新しく仕事を始める方や今までの働き方を変えた方も多いかもしれません。
パート勤務で少しでも家計を助けようと頑張っている人、ちゃんと節税していますか?
働き方によって、実は前よりたくさん働いているのに世帯収入は減っている!なんてことになりかねません。
そんなことになったら悲しいですよね・・・。
いわゆる【扶養の壁】は、たくさんあってよくわからない…という方に、どのくらい働くのがいいのかをまとめました。
この記事を読むと分かること
◎そもそも「扶養」ってなに?が分かる
◎パートの収入をいくらにすればいいかが分かる
◎注意点が分かる
ここでは例として、夫の年収が700万円で妻の年収別でお伝えします。
年収とは、税金等が引かれる前の“総支給額”のことをいいます。
実際に手元に入るお金のことを一般的に“手取り額”といいます。
ざっくりですが、年収700万円の場合、手取りは500万円くらいになります。
参考にしていただき、しっかり節税対策していきましょう。
そもそも「扶養」とは?年収別に解説!
扶養とは、家族や親族に経済的支援を受けることをいいます。
今回の場合、夫が扶養者として家族を養う立場、妻は被扶養者として経済的支援を受ける立場という例でみていきましょう。
これには、「2つの扶養」があります。
まず1つ目は、「税金上の扶養」
住民税や所得税といった税金を支払う義務のことです。
2つ目は、「社会保険上の扶養」です。
“社会保険”とは、医療保険・年金保険・介護保険等のことで、日本国民は全員が加入しなければいけない制度になっています。
(介護保険は40~64歳の人が加入します)
これを踏まえて金額別にみていきましょう。
妻がパートで収入を得た場合、
- 100万円を超えると、自分で自分の住民税を払う義務が発生します。<税金上>
金額は住んでいる場所によります。昨年の年収をもとに計算される税金です。
- 103万円を超えると、所得税を払う義務が発生します。<税金上>
103万円を超えた分に対して税金がかかります。
- 106万円を超えると、勤務先によっては社会保険加入対象になります。<社会保険上>
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 雇用期間が継続して2ヵ月を超える、または見込まれる
- 賃金の月額が8.8万円以上
- 学生ではない
- 勤務先が101人以上の特定適用事業所である
この5つに該当すると、106万円を超えた場合、勤務先の社会保険に加入しなければいけません。
- 130万円を超えると、勤務先の社会保険に加入する義務が発生します。<社会保険上>
先ほどの5つの条件に満たなくても、130万円以上であれば加入しなければなりません。
- 150万円以上になると、夫の配偶者控除が減ります。<税金上>
- 201万円以上で、夫の配偶者控除がなくなります。<税金上>
夫の方の税金が実質増えることになります。
妻のパート収入はいくらがベスト?
年収別の扶養条件について分かったところで、「じゃあ、結局いくらにすればいいの?」と悩みますよね。
これは、各家庭の事情によって異なるので一概にこれが正解とは言えません。
世帯年収(夫と妻の収入を合わせた額)がいくらならいいのか、家族で話し合う必要があります。
住んでいる場所、家賃や子供の有無、趣味や必要経費など、どれにどのくらいお金が必要なのかを洗い出し、不足分を計算して決めるのが良いでしょう。
ただ、一般的に「働いたのに損をしてしまう」ラインがあります。
それは【社会保険料がかかる】ラインです。
先ほどの例で夫の年収700万円の場合、妻の年収が129万円だとすると、5つの条件に当てはまらない場合、妻は社会保険上夫の扶養でいられます。
自分で社会保険料を払わなくて良いので、129万円の手取りはさほど減りません。
しかし130万円の場合、社会保険加入義務が発生し、社会保険料を引かれてしまいます。
目安は約20万円前後です。
そうなると、129万円の時と働いている時間はほとんど変わらないのに、手元に残るお金が減ってしまうことになるのです。
130~150万円は手取りが減ってしまうことが多いので注意が必要です。
社会保険の扶養範囲内で働くなら、120~130万円未満で働く方が、手元に残るお金が増えます。
逆に超えるようであれば、150万円以上働いて収入を得た方が良いでしょう。
注意点と他の節税対策
社会保険は勤務先の会社によって条件が異なりますので、勤務先によく確認しましょう。
また夫の勤務先によっては、扶養家族の有無に応じて家族手当がつく場合があります。
その場合、手当分の減額も忘れずに考慮してください。
さらに、お子さんの有無・介護者の有無などによっても変わってきます。
これは控除などのこともありますし、純粋に働ける時間の問題もありますね。
上記でもお伝えした通り、どんな働き方がベストになるかはそれぞれの家庭次第なので、家族で話し合うことがとても大切です。
節税対策は働き方だけでありません。
話題になっている「ふるさと納税」や「iDeCo」、「NISA」などを上手に活用して、手元に残るお金を増やしていきましょう。